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2021.06.21
税金の特例や控除も!相続した実家を売却する際のポイントとは?
「家族が亡くなって実家を相続したけど、誰も住む予定がない」。日々お客様と接していると、こんな相談を受けることがあります。こういった場合、選択肢の一つとしてあがるのが売却をして現金化すること。今回は、相続した不動産を売却する際のポイントをご紹介します。
相続した不動産を売却するメリット
相続した不動産を放置していると、衛生面の悪化や不法侵入による窃盗など、さまざまなリスクがあります。一方、売却するとそれらのリスクを避けられるだけでなく、多方面でメリットがあるのです。まずは代表的な3つを見ていきましょう。
維持費がかからなくなる
「空き家等対策特別措置法」の施行により、放置された空き家は自治体が「特定空き家」に指定できるようになりました。特定空き家に指定されてしまうと、家が建っている土地の課税標準が軽減される「住宅用地に対する課税標準の特例」を受けられなくなります。
つまり、固定資産税が高くなってしまうのです。売却すれば、維持費に加えてこのような税金を払う必要がなくなります。
現金化で資産分割がしやすくなる
不動産の相続でトラブルが起こりやすいのは、相続人が複数いる場合。家を切り分けるわけにはいきませんので、家を残した状態で相続するにはあらゆる条件を話し合って決める必要があります。
ですが、売却して現金にすれば簡単。売却して得られた利益を分割すれば、お互いに分かりやすくスムーズに相続できるでしょう。
近隣トラブルを避けられる
近年、空き家に関係する近隣トラブルは少なくありません。特に不動産が遠方にある場合はメンテナンスが行き届かず、老朽化で壊れた家の一部が近隣に飛んで行ってしまった、ということもあり得ます。これが管理を怠っていた空き家だった場合、損害賠償を請求される可能性も。
売却することで、こういったトラブルのリスクも避けられるのです。
相続した不動産売却の手続きにおけるポイント
相続した不動産の売却は、不動産の名義変更をはじめ、通常の不動産売却とは異なる部分がたくさんあります。特に相続税に関係する特例や控除は知っておくべき。しっかり確認しておきましょう。
売却手続きの前にまずは名義変更
不動産の売却は基本的に、不動産名義人しかできません。このため、亡くなった家族が名義人の場合はまず名義変更の手続きを。
ちなみに、不動産の所有権を親族などの複数人で共有することもあります。「共有名義」という制度で、この場合は一人で勝手に売却することはできません。
特例や控除を活用して賢く節税
不動産を相続すると相続税の課税対象になります。相続税の納付期限は、不動産の名義人が亡くなったことを知った翌日から10カ月以内。賢く節税をして、期限内にきちんと支払いましょう。
まず、相続した不動産を売却した際の税金は、遺産の総額から「基礎控除」を引いた価額に対して課税されます。基礎控除の算出方法は以下。
3,000万円+(法廷相続人の人数×600万円)=基礎控除
つまり、相続人が多いほど基礎控除は大きくなるのです。
相続した不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得を支払う必要があります。
そこで活用できるのが、「取得費加算の特例」「3,000万円特別控除」「10年超所有軽減税率」「特定居住用財産の買い替え特例」の4つ。自分がどれに該当するか、確認してみてください。
【取得費加算の特例】
相続開始から3年10カ月以内に相続資産を売却していることが条件。売却した資産に対応する相続税を譲渡益から控除を行うのが特徴。
【3,000万円特別控除】
売却価格から購入価格を引いた課税譲渡所得から最大3,000万円まで控除される制度。所有期間を問わず適用される。
【10年超所有軽減税率】
10年以上所有している不動産を売却して利益が出た場合に譲渡所得税の税率が軽減される特例。課税譲渡所得が6,000万円以下の場合は税率が14.21%まで軽減される。
【特定居住用財産の買い替え特例】
居住用財産を売却し新居を購入した際に、売却価格よりも購入価格が高い場合は課税されないという制度。相続した不動産を売却後、新居を購入する場合も適応。
まとめ
家族が大切にしてきた家を売る相続不動産の売却は、少し気が引けるという人が多いのも事実。ですが、今回ご紹介したように売却することにもメリットがあり、売却する上で節税できる制度などもあります。
人生で何度も経験することのない相続不動産の売却は、戸惑うことも多いはずです。不安に思う方は、不動産会社や不動産コンサルティング会社など、信頼できる売却のプロに話してみましょう。
協和住建は新潟県で20年以上続いている地域密着型の不動産会社です。
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