2025.10.03
リースバックとリバースモーゲージの違い!それぞれのメリット・デメリットも解説

「人生100年時代」と言われる中で、老後の生活資金や住まいに関する不安を抱える方もいらっしゃると思います。そういった方へ、自宅を活用して資金を得る「リースバック」と「リバースモーゲージ」という仕組みをご紹介します。
どちらも、住み慣れた家で暮らしながら資金を得られる方法です。しかし、契約の仕組みや資金の受け取り方に違いがあります。売却の目的や、将来的に住まいをどうしたいかによって、その人に合う方法は異なります。
この記事では、リースバックとリバースモーゲージという、自宅に住み続けながら資金を調達できる2つの方法について、その違いやメリット・デメリットを解説します。
リースバックとリバースモーゲージの基礎知識
リースバックとは?
リースバックとは、現在住んでいる自宅を不動産会社に売却し、その売却代金を受け取りながら、賃料を払ってそのまま家に住み続けることができるサービスです。簡単に言うと、「自宅を売って、買主(不動産会社)から家を借りる」という仕組みです。
売却後は、毎月賃料を支払う「賃貸借契約」を結び、賃借人として住み続けることになります。所有権が売主から買主へ移るため、固定資産税や都市計画税などの税金の支払いがなくなります。
リバースモーゲージとは?
リバースモーゲージとは、自宅を担保に金融機関からお金を借り入れる仕組みです。
借り入れたお金は一括で受け取ることもできますし、年金のように少しずつ受け取ることも可能です。この借入金は、契約者が亡くなった時に自宅を売却して一括で返済するのが一般的です。
「リバース(逆)」という言葉が示すように、通常の住宅ローンとは逆の仕組みです。一般的に住宅ローンは、借入当初は借入残高が大きく、毎月返済することで残高が減っていきます。一方、リバースモーゲージは、一括もしくは毎月の借入額を、最後にまとめて返済します。
リースバックの仕組みとメリット・デメリット
リースバックの仕組み
リースバックは、以下の3つのステップで進みます。
- 自宅の売却:まず、専門の不動産会社に自宅を売却します。これにより、まとまった現金(売却代金)を得ることができます。
- 賃貸借契約の締結:売却後、買主である不動産会社と賃貸借契約を結びます。
- 賃料の支払い:賃貸借契約に基づき、毎月賃料を支払うことで、売却した自宅にそのまま住み続けることができます。
リースバックのメリット・デメリット
メリット |
まとまった資金をすぐに得られる 売却が成立すれば、最短で数週間以内に現金化が可能。急な出費や事業資金など、すぐに資金が必要な場合に有効です。 |
自宅に住み続けられる 売却後も賃貸として住み続けられるため、住み慣れた環境を変える必要がありません。転居のストレスがなく、費用もかかりません。 |
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売却後の税金・管理負担が減る 所有権が買主に移るため、固定資産税や都市計画税、マンションの場合は管理費や修繕積立金の支払い義務がなくなります。 |
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買い戻しができるケースもある 契約によっては、将来的に自宅を買い戻すことができる特約を付けることが可能です。買い戻しを考える場合は、契約時に買主である不動産会社に確認しましょう。 |
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デメリット |
売却価格が相場より安くなる可能性がある リースバックは、通常の市場価格よりも売却価格が低くなる傾向にあります。物件にもよりますが、一般的な売却時の70%前後の売却価格と言われています。 |
賃料が高くなる可能性がある 売却価格は賃料に影響しており、売却価格が高いほど賃料が高くなる傾向にあります。また、賃料は周辺の相場よりも高く設定されるケースもあります。売却前に賃料がどのくらいになるかを確認しておきましょう。 |
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所有権を失う 自宅の所有権が不動産会社に移動するため、建物の増改築やリフォームは自由にできない場合があります。 |
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契約期間に注意 リースバックでは「定期借家契約」が一般的で、契約時の賃貸期間を超えての居住が原則できません。一般的な賃貸アパートやマンションの「普通借家契約」とはルールが異なるので、注意が必要です。 |
詳しくは「協和住建のリースバック」「不動産のリースバックとは?メリット・デメリットから契約の流れまで」もご覧ください。
リバースモーゲージの仕組みとメリット・デメリット
リバースモーゲージの仕組み
リバースモーゲージは、以下のステップで進みます。
- 金融機関への申込:自宅を担保に、金融機関に融資を申し込みます。
- 借入金の受け取り:審査が通れば、一括または分割で借入金を受け取ります。
- 利息のみの支払い:毎月の返済は利息のみで、元金の返済は不要なケースが多いです。
- 死後、借入金を返済:契約者が亡くなった時、担保となっていた自宅を売却するなどして、借入金の元本を一括で返済します。
リバースモーゲージのメリット・デメリット
メリット |
自宅の所有権を維持できる 自宅の所有権はご自身に残ったままです。そのため、資産として保有し続けることができますし、自宅の増改築やリフォームも比較的自由に行えます。 |
まとまった資金を得られる 生活費、医療費、介護費用など、さまざまな用途で利用可能です。 |
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相続財産として残せる可能性も 借入金を完済できれば、自宅を相続財産として残すこともできます。 |
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年齢が高い人でも利用できる 多くの金融機関では、利用者を「50歳以上」「60歳以上」など の高齢者に限定しています。年齢が高い方でも利用しやすい点が特徴です。 |
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デメリット |
毎月の利息払いが発生する 原則として、存命中は元本の返済は不要ですが、毎月の利息の支払いが必要です。また、固定資産税などの維持管理費用もかかります。 |
金利変動リスクがある 変動金利が適用されることが多く、金利が上昇すると毎月の利息負担が増える可能性があります。 |
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担保評価額の下落に注意 自宅の担保評価額が下落するなどの理由で、自宅の売却額が借り入れた金額を下回った場合、差額分の借入金の返済を求められる可能性があります。 |
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資金用途が限定される場合がある 事業用資金や投資目的の資金として使用することはNGとされているケースが多いです。 |
リースバックとリバースモーゲージの違い
リースバックとリバースモーゲージは、どちらも「自宅に住み続けながら資金を調達できる」という点では共通していますが、その仕組みには違いがあります。目的や将来的な資金計画を踏まえて、自分に合った方法を選びましょう。
リースバック |
リバースモーゲージ |
|
自宅の所有権 |
失う |
維持できる |
契約形態 |
不動産売買契約+賃貸借契約 |
金銭消費貸借契約(ローン) |
資金用途 |
自由 |
原則自由(ただし、事業用資金や投資目的には使えない場合が多い) |
主な利用者 |
年齢制限なし |
50〜60歳以上の方(金融機関による) |
返済方法 |
毎月賃料を支払う |
生存中は利息のみ、死後に一括返済 |
最も大きな違いは、自宅の所有権がどうなるかです。リースバックは所有権を完全に手放すのに対し、リバースモーゲージはご自身の所有権を維持できます。
どんな人がリースバックを選ぶべき?利用ケースをご紹介
所有権を完全に手放すリースバックは、下記のような理由から選ばれることが多いです。
- まとまった資金が必要になった
- 家の管理を任せたい・維持管理費用が負担になっている
- 将来的な相続の手間や、空き家リスクを回避したい
では、具体的なリースバックの利用ケースを3つご紹介します。
ケース1:引っ越しは面倒なため今の家に住み続けたいが、まとまった資金が必要な方
「子どもの教育費や結婚資金、事業資金など、急にまとまったお金が必要になった」といった状況の方におすすめです。
ケース2:「住み続けたい」「売却したい」両方を叶えたい方
「親は自宅に住み続けたいと思っているが、子どもとしては将来の管理負担を考えて今のうちに売却したい」「元気なうちは家に住み続けたいが、後々の相続の手間を減らすために現金化しておきたい」といったケースです。リースバックを活用すれば、親御さんは住み慣れた家で安心して暮らせ、お子さんは管理や相続の手間を減らすことができます。
関連記事:高齢の親の一人暮らしが心配なあなたへ|今すぐできる見守りと、リースバックという住まいの対策
ケース3:将来的に引っ越しが決まっていて、売却手続きを先に済ませたい方
「数年後には老人ホームへの入居を考えている」「子どもが住む家へ引っ越す予定」といった場合です。引っ越し後、空き家になってからの売却は、管理の手間や建物の劣化による家の価値下落で、売れにくくなるリスクがあります。
不動産会社選びのポイント
リースバックを検討する際は、信頼できる不動産会社を選ぶことが非常に重要です。以下のポイントをぜひ参考にしてください。
- 実績が豊富か:リースバックの経験が豊富で、様々なケースに対応できる会社を選びましょう。特に、自宅がある地域での実績が多ければ、その地域の不動産状況を把握し、適正な価格で買い取ってくれるでしょう。
- 信頼できる会社・担当者か:リースバックでは、その後も賃貸契約が続くため、売却後もやりとりがあります。「契約から売却、その後の管理まで任せられるか」、「親身になって対応してくれるか」も気にしましょう。
- 契約内容が明確か:売却価格、賃料、賃貸借契約の期間、買い戻し特約の有無など、納得して契約をしなければ、売却後に齟齬が生まれる恐れがあります。契約内容の説明が丁寧で、納得のいく契約を結んでくれる会社を選びましょう。
新潟市のリースバックのご相談は協和住建へ
家に住み続けながら資金を確保する方法として、リースバックとリバースモーゲージの2つの仕組みをご紹介しました。リースバックは、「実家に住み続けたいが、子どもは県外にいるので、相続の手間を減らせるよう家は売却したい」「まとまった資金が必要だが、住み慣れた家から離れたくない」といったお悩みを抱えている方にオススメの方法です。
新潟市でリースバックを検討されている方は、ぜひ協和住建にご相談ください。私たち協和住建は創業20年以上、新潟県の不動産を取り扱っている地元密着型の不動産業者です。現在のお住まいが新潟県内/県外を問わず、新潟市にある不動産を売却したいとお考えの方を全力でサポートいたします。不動産の買取・仲介もお任せください。
お客様一人ひとりに合わせた最良のご提案をさせていただきますので、お電話やフォームからぜひお気軽にご相談ください。