2025.07.31
高齢の親の一人暮らしが心配なあなたへ|今すぐできる見守りと、リースバックという住まいの対策

高齢の親が一人で暮らしていると、「もし何かあったら」「このまま一人で大丈夫?」と心配になるのは当然のことです。特に、離れて暮らしている場合、日常の小さな変化に気づきにくく、不安も募るでしょう。
このコラムでは、そうした不安の背景や具体的な対策、そして実家に住み続けながら資金を得られる「リースバック」という方法について詳しくご紹介します。安心して親を見守るために、まずは「何ができるか」を知ることからはじめましょう。
一人暮らしの高齢者が増えている
近年、日本全国で一人暮らしの高齢者が増加しています。内閣府によると、65歳以上の単独世帯は増加傾向にあり、1980年(昭和55年)には65歳以上の男女それぞれの人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%でしたが、2020年(令和2年)には男性15.0%、女性22.1%となっています。
新潟市内でも、2005年(平成17)年と、2020年(令和2年)の国税調査の結果を比較すると、高齢単身世帯は約1.9倍の35,041世帯に増加しています。
今後も少子化や都市集中、核家族化の影響を受けて、この増加傾向は続くと見込まれています。
出典:3 家族と世帯|令和4年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府
出典:新潟市地域包括ケア計画[新潟市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画] 第2章 |新潟市
一人暮らしの高齢者に感じる心配とは?
高齢の親が一人で暮らしていると、日々の生活の中でさまざまなリスクが頭をよぎります。まず、一般的にどのような心配があるのかを整理してみましょう。
転倒による怪我・病気・認知症などに気付かない
高齢になると、小さな段差で躓いて怪我をしたり、免疫力の低下により病気にかかりやすくなったりと、健康状態に関する心配事が増えます。さらには、認知症の発症に気付かず、家族が違和感を覚えた頃には症状が進行していた、ということも起きかねません。
このような出来事が積み重なると、一人での生活がままならなくなり、最悪の場合、発見が遅れて孤独死になってしまうことも考えられます。
泥棒や詐欺など、一人暮らし高齢者を狙った犯罪に巻き込まれる可能性
高齢者を狙った詐欺被害や空き巣被害も深刻な問題です。一人暮らしの高齢者は、悪質業者に狙われやすく、身近に相談できる人や見守る人がいない状況では、大きな被害に遭ってしまう可能性があります。
生活資金の不安
「老後2,000万円問題」で言われるように、年金収入だけでは医療費や介護費用をまかなえない場合も多く、生活資金に対する不安はつきものです。特に収入源が限られる中で、急な出費や将来の費用をどう確保するかは、高齢者本人だけでなく家族にとっても重要な問題です。
親の一人暮らしが心配なときに|4つの対策
「一人暮らしの親が心配だけど、どうしたらいいのかわからない…」そんなときに具体的にできることを知っていると安心です。ここでは、親の一人暮らしに対して子世代ができる対策を4つご紹介します。
地域包括支援センターや見守りサービスの利用
各自治体の「地域包括支援センター」では、高齢者の暮らしに関する相談や福祉サービスの紹介を行っています。高齢の親の暮らしや介護について不安があれば、まずは相談してみましょう。
また、民間企業でも、スタッフが定期的に訪問するサービスや、家電などにセンサーを設置して利用状況で安否を確認するサービスなど、見守りサポートサービスを行っています。セキュリティ関連の企業だけでなく、新聞や宅配弁当などの配送サービスや、電気通信企業でも展開されています。
新潟市でも、高齢者をはじめとした「支援が必要な方」に異変があった際、速やかに支援へ繋げるため、「新潟市高齢者等あんしん見守りネットワーク」があります。民生委員の見守り活動に加えて、地域住民や事業者の協力により、地域全体で見守る体制を整えています。
協力事業者には、電気・ガス・水道といったインフラをはじめ、食品配達や新聞などの日常的な配達事業者、コンビニや薬局なども参加しています。
家の中に安全対策を施す
転倒防止のため、手すりの設置、段差の解消などの住宅環境の見直しも、安全対策の一環として重要です。安全性が高まるだけでなく、暮らしやすさも向上します。
同居や近居で、近くから見守る
家族が近くに住むことで、日常的なフォローがしやすくなります。完全な同居が難しい場合でも、支援しやすい距離感を保つのもお互いの安心感につながります。
資金面の心配には、「リースバック」という選択肢も
「今後の生活を考えると、資金的な余裕がほしい」というときに、今の家に住みながら資金を確保できる「リースバック」という選択肢があります。不動産を売却して資金を確保しつつ、そのまま住み続けることで、生活の安心感と経済的余裕の両立が可能になります。
「リースバック」とは?生活の安心と資産活用を両立する方法
では、リースバックとはどういうものなのでしょうか?家を売っても住み続けられるというこの仕組みは、「住み慣れた家で安心して暮らしたい」「将来に備えて資産を有効に活用したい」という2つを両立することができます。
不動産を売却しても住み続けられる仕組み
リースバックとは、自宅を不動産会社に売却し、売却後は賃貸契約を結び、月々の家賃を支払ってそのまま住み続けることができる仕組みです。もし、住宅ローンが残っている場合でも、売却で得た資金で返済することもできます(売却価格が住宅ローンの残債よりも高い場合)。
リースバックなら、家を失わずに現金化できるため、老後資金や介護費の捻出に適しています。
リースバックのメリット
リースバックを行うことで、具体的に以下のようなメリットがあります。
リースバックで得た資金を、生活費や介護費などに充てられる
「老後2000万円問題」と言われるように、老後の生活資金を年金だけに頼ることは難しいとされています。リースバックによってまとまった資金を得ることができれば、そのお金を生活費や介護サービス、家の安全対策に充てることができ、より安定・安心の生活環境を整えることができます。
実家の管理コストや手間を軽減できる
不動産を保有していると、毎年の固定資産税や修繕費といった維持コストがかかり、家計の負担になる場合があります。リースバックを活用すれば、所有権を手放すことで、プロの不動産会社に管理を任せることができるため、これらの金銭的・精神的な負担を軽減できます。家に関する不安が生じた際も、不動産会社に相談ができる安心感があります。
相続に向けた資産整理にもなる
高齢の親が亡くなった後には相続問題が発生し、「実家の相続をどうするか」で家族間でのトラブルが発生したり、実家に誰も住まなくなった場合の空き家の管理・売却といった手間が生じたりします。遺産相続の中でも、不動産相続は複雑になりがちです。
いざという時に備え、事前にリースバックを活用して現金化しておくことで、相続時の遺産分割が容易になります。
リースバックの注意点
リースバックは、前述のようなメリットもありますが、一方で注意しなければならないこともあります。
リースバックは、売却価格が市場価格よりも安くなる傾向にあります。理由としては、個人に売却する不動産仲介とは異なり、不動産業者が直接買取した後に修繕や解体をするため、その分市場価格よりも安くなる可能性が高いからです。
また、所有権が不動産会社に移るため、リフォームや建て替えが自由にできなくなります。こちらも注意が必要です。
リースバックはこんな方におすすめ
リースバックは、以下のような悩みを持つ方におすすめです。
実家を手放さずに生活を守りたい
リースバックなら、「住み慣れた家で暮らし続けてほしい」という希望を叶えつつ、まとまった生活資金も確保することができます。実家の環境に慣れている高齢者にとって、住み替えによる環境変化はストレスとなりかねないため、変わらない生活環境を維持することは大きな安心材料です。
将来的な相続や、空き家リスクに備えたい
不動産は、相続時の資産の中でも分割方法や手続きが複雑で、トラブルにつながりやすいです。また、住まなくなった後に空き家になるリスクもあるため、今のうちに整理を進めておくことで、将来的な不動産の手間や問題を減らすことができます。
急な費用(医療・介護)に備えたい
高齢になると、突然体調を崩すこともあるかもしれません。高額な医療費や、介護施設への入所費用が急に必要になった場合でも、リースバックで得た資金で備えておくと安心です。予期せぬ入院や介護サービスの利用には、数十万円単位の出費が発生することもあり、手元資金を確保しておくことはとても大切です。
不動産会社選びで失敗しないために知っておきたいこと
リースバックは安心と資産活用を両立できる手段ですが、契約内容によっては思わぬトラブルも。不動産会社選びで失敗しないためのポイントを押さえておきましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
リースバックの実績が豊富・契約前の説明が丁寧・専門知識を持つ担当者がいる不動産会社を選びましょう。口コミや公開実績も判断材料になります。不動産を売却して終わりではなく、その後も管理会社として付き合いが続くので、親身な対応やアフターフォロー体制が整っているかも大切です。
また、家がある地域での取引実績が豊富な不動産会社を選ぶことも大切です。その地域の不動産状況を把握している会社であれば、地域情報を理解し、適正な価格で買い取ってくれるでしょう。
リースバックの契約内容に注意
賃料の設定、契約期間、再契約の可否など、将来にわたる条件をしっかり確認しましょう。賃料が高すぎて払い続けられなかったり、買主側の都合で再売却されたりする可能性もあり得ます。その際の対応条件についても把握しておくことが大切です。
リースバックでは、売却後も安心して住み続けられることが最も重要です。売主の生活が保証されている契約内容なのか、十分に確認してから契約しましょう。
まとめ:親の一人暮らしの心配を解消し、安心できる暮らしを実現するために
親の老後を心配する気持ちは誰しも同じです。大切なのは、その心配を放置せずに、今できる対策をひとつずつ講じていくことです。
転倒や病気、詐欺被害などのリスクは、ある日突然起こるかもしれません。だからこそ、早めに行動することが親を守る第一歩です。安心して生活を送るために、リースバックもひとつの選択肢です。「家を売る=家を出ていく」ではなく、慣れ親しんだ家に住んだまま、資金や管理の面でメリットがあるのが、リースバックという方法です。親の安心もあなたの安心も、両方を叶える方法として、ぜひ検討してみてください。
リースバックのことなら協和住建にご相談ください。専門スタッフが丁寧にお話を伺い、最適なプランをご提案いたします。
私たち協和住建は創業20年以上、新潟県の不動産を取り扱っている地元密着型の不動産業者です。リースバックをご案内する際、買取金額と売却後の賃貸借期間、賃料のパターンをいくつか提示いたします。お客様一人ひとりに合わせた最良のご提案をさせていただきますので、お電話やフォームからぜひお気軽にご相談ください。