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2024.12.26

相続前後どちらが不動産売却に最適?判断基準や注意点を解説

相続前と相続後で必要な段取りや費用が異なる不動産売却相続予定の不動産を所有している方の中には、「相続前と後、結局どちらに売却すべきなの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

今回は、相続前後の不動産売却について詳しく解説していきます。それぞれのメリット・デメリット、判断基準や注意点もご紹介するので、相続予定の不動産をお持ちの方はぜひチェックしてみてください。

【タイミング別】相続における不動産売却のメリット・デメリット

相続前と相続後のどちらに不動産売却をするべきかは、個々の状況によって異なります。そのため、まずは相続前後それぞれのメリット・デメリットを把握しておく必要があります。相続前と相続後、それぞれの売却ベストタイミングを理解し、自身の状況に合わせて総合的に判断することが不動産売却成功への近道です。

相続における不動産売却のメリット・デメリットを、タイミング別で分かりやすく解説していきます。

【相続前】不動産売却のメリット

相続前に不動産を売却する場合、不動産を現金化した状態で相続を行うことができます親族や兄弟間で争いが起きる前に、事前に不動産を売却して現金化しておくと、将来の相続発生時に相続人の間で分けやすくなるという大きなメリットがあります。

1.相続前に不動産を現金化できるので、遺産分割がスムーズに進められる

複数人で不動産を相続することになっている場合、一つの不動産を分割するのは非常に困難です。誰か1人が相続するのか、それとも共有名義にするのかなど、遺産分割協議が複雑になってしまうケースが多くあります。

しかし、相続前に不動産を売却して現金化しておくことで、公平かつスムーズに遺産分割を進めることができます。トラブルを起こさずに複数人で遺産分割をしたい方に最適です。

2.最高3,000万円の特別控除の特例が使える

個人が居住している不動産の売却において、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が使えます。

譲渡所得とは、不動産売却後の利益を指し、「譲渡所得=成約価格–(取得費+譲渡費用)」で算出できます。場合によっては譲渡所得税がゼロになる可能性もあるため、節税したい方は、まずは要件を確認しましょう。特例を受けるための要件は、国税庁のサイトで確認できます。

参照:国税庁 マイホームを売ったときの特例

3.10年超の長期所有不動産の場合、軽減税率の特例が使える

10年以上所有している不動産を売却する場合、不動産所有者が売却すると「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」が使えます要件を満たしていれば、6,000万円以下および6,000万円超でそれぞれ所得税・住民税に軽減税率が適用されるものです。前述した「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」とも併用できます。

ただし、相続人の売却には適用されないため、注意が必要です。要件を満たしていて、なおかつ売却利益が大きくなる見込みがある場合には、相続前に所有者本人が売却するのも一つの方法です。本特例の詳細も、国税庁のサイトで確認できます。

参照:国税庁 マイホームを売ったときの軽減税率の特例

【相続前】不動産売却のデメリット

主に節税関連のメリットが多い相続前の不動産売却ですが、相続税が高額になる可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。

相続前に不動産売却をした場合、売却で得た現金が相続税の課税対象となります。一方で、相続後に不動産売却をする場合は、相続した不動産に対して相続税がかかります。この課税評価額は、不動産よりも現金のほうが高くなるのが一般的です。そのため、相続前に不動産売却をすると、相続税が高額になる可能性があるので注意しましょう。

【相続後】不動産売却のメリット

相続後に不動産売却をするということは、不動産の状態で相続を受けることになります。現金で相続した場合よりも課税評価額が低くなるのは大きなポイントです。

1.相続税を抑えられる

現金よりも不動産のほうが課税評価額は下がるため、相続後の不動産売却においては相続税を抑えられる可能性が高いです。また、相続税には基礎控除もあることから、高額売却となり得る不動産の場合は相続後の売却をおすすめします。

相続税の計算方法は国税庁のサイトから確認できるため、事前にチェックしてみてください。

参照:国税庁 相続税の計算

2.譲渡所得に対する特例や特別控除が使える

相続前の売却と同様に、相続後の売却でも使える特例や特別控除があります主に活用できる特例や特別控除は、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」と「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」の2種類。それぞれ要件はあるものの、適用できれば譲渡所得税を大幅に軽減できます。

どちらも国税庁のサイトで確認できるので、ぜひ参考にしてみてください。

参照:国税庁 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

   国税庁 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

【相続後】不動産売却のデメリット

相続後の不動産売却では、遺産分割に関するトラブルが起きやすいのが大きなデメリットです。相続人が複数人いる場合、全員の合意がないと売却することさえできません。1人でも売却を反対する相続人がいると売却まで時間がかかるだけでなく、結果的に売却自体ができなくなってしまいます。すぐに売却代金が必要な場合は、相続前に売却を進めるのが良策です。

相続前?相続後?売却タイミング判断のチェックポイント

ここまで解説してきた相続前後それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、どちらのタイミングで不動産売却すべきか判断する場合、3つのチェックポイントに沿って考えていくとスムーズです。事前に知っていると便利な売却タイミングを判断する際のチェックポイントをご紹介します。

チェックポイント1:相続人が何人いるか

まずは、相続人の人数をチェックしましょう。相続人が1人しかいない場合は、相続後の売却でも自分1人で意思決定できるため、トラブルが発生する可能性は低くなります。

もしも、相続人が2人以上いる場合、相続人同士の関係性や考え方を踏まえた上で、相続前後どちらのほうがスムーズに遺産分割できるかを検討しておきましょう。少しでもトラブルになりそうな場合は、相続前に売却して現金化しておけると安心です。

チェックポイント2:どちらが節税になるか

相続前後、どちらの売却でも活用できる特例や特別控除があります。ただし、所有している不動産の資産価値によって節税できる金額が異なるので、事前に相続前後どちらの売却の方が節税になるかをチェックしておくことが大切です。チェックする際は、以下の手順で進めていきます。

  1. それぞれの特例や特別控除の要件を満たすかどうかを確認。
  2. 所有している不動産の資産価値(推定売却費用)を確認。
  3. それぞれの特例や特別控除で節税できる金額をチェック。
  4. 相続前後でどちらが節税になるか比較。

節税になるかどうかを確認する際には、不動産の資産価値をなるべく正しく把握することが重要となります。インターネットでの調査や不動産会社による簡易査定もありますが、より高い精度を求める場合には、不動産会社による訪問査定を依頼するのがおすすめです。

チェックポイント3:現所有者の希望はどうか

該当不動産を現在所有している被相続人の希望も重要なチェックポイントになります。特に建物を所有している場合、最期まで住み続けたい意思があれば尊重し、相続後に売却するのが良いでしょう。相続予定が決まった時点で、不動産所有者の希望を確認してみてください。

相続不動産を売却する際にかかる税金

相続不動産を売却する際には、通常の不動産売却と同じように税金がかかります成約価格がすべて利益になるわけではないため注意しましょう。

ここからは、相続不動産を売却する際にかかる税金を解説していきます。売却タイミングを検討するための材料にもなるため、ぜひチェックしてください。

相続税

不動産の売却タイミングに関わらず、相続を受ける際には相続税がかかります相続税は相続された財産の総額に課される税金で、課税対象の総額が相続税の基礎控除を超える場合に支払いが必要となります。

相続税の基礎控除額や計算方法は、国税庁のサイトで確認可能です。より詳しく知りたいなら、税務署に相談してみるのも良いでしょう。

参照:国税庁 相続税の税率

登録免許税

不動産(土地、建物)の状態で相続を受ける際には、登録免許税がかかります登録免許税は相続不動産の名義変更時にかかる税金です。相続登記の種類によって税率が異なるため、相続不動産と併せて確認してみてください。

主な税率は以下の通り。詳細は、国税庁のサイトで確認可能です。

内容

税率

土地所有権の移転(相続による移転)

0.40%

住宅所有権の移転(相続による移転)

0.40%

参照:国税庁 登録免許税の税額表

譲渡所得税

譲渡所得税は、相続不動産の売却によって得た利益に対して課税される税金です。税率は不動産の所有期間によって異なり、5年以下は短期譲渡所得で税率30%、5年以上は長期譲渡所得で税率15%とされています。長く所有していたほうが税率は低いため、相続不動産の所有期間を正しく把握しておきましょう。

参照:国税庁 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

住民税

住民税も譲渡所得税と同様に、不動産売却の利益にかかる税金です。住民税の税率も不動産の所有年数によって異なるので注意しましょう。

印紙税

印紙税は、売買契約書などの課税文書にかかる税金です。税額は契約金額によって異なり、200円から60万円と幅があります。必要な税額分の印紙を購入して文書に貼って納税する形となります。印紙税額一覧表は国税庁のサイトでご確認ください。

参照:国税庁 印紙税の手引

【ケース別】おすすめの不動産売却タイミング

おすすめの不動産売却タイミングをシーン別に解説していきます。自身の置かれている状況や希望と照らし合わせながら、適切な売却タイミングを判断してみてください。

スムーズに遺産分割したいのなら、相続前に売却を

スムーズな遺産分割を優先したい方は、不動産を現金化してから相続できる相続前の売却がおすすめです。特に相続人が複数人いる場合は一つの不動産を公平に分けるのは難しいため、遺産配分を決めた上で、現金で分割するのが良いでしょう。

ただし、居住している不動産を相続前に売却するとなると、所有者の新しい住居の確保が必要となります。新居の手配や費用が必要になるので、きちんと計画を立ててから売却するようにしましょう。

節税優先なら、相続後の売却を

税金の負担をできるだけ抑えたい場合には、相続後の売却がおすすめです。相続前でも相続後でも特例や特別控除を使えるケースはありますが、相続後は譲渡所得税だけでなく相続税の負担も軽減可能です。相続後の売却で使える特例の要件を満たせるようであれば、相続後に不動産売却したほうが節税効果は高くなります。

ただし、相続不動産によって特例の要件を満たせるかどうかは異なります相続前後それぞれで使える特例や特別控除の要件を確認し、どちらのほうが節税されるかチェックしてみてください。

新潟の不動産売却は協和住建へ

今回は、相続前と相続後の不動産売却についてご紹介しました。

相続前と相続後どちらの不動産売却が適切かは、所有する不動産や相続人数などによって異なることから、本記事で紹介したチェックポイントに沿って確認するようにしましょう。

確認には専門知識が必要になることから、お得に売却できるタイミングの判断を自身でするのが難しい場合には、信頼できる不動産会社へ相談することをおすすめします。

私たち協和住建では、創業から20年以上にわたって新潟県の不動産を取り扱っている地域密着型の会社だからこそ知り尽くしているノウハウを生かし、お客様一人ひとりのご要望に合わせて最良のご提案をさせていただきます。

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