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空き家は所有しているだけで損?気になる税金と最新動向をチェック

空き家は所有しているだけで損?気になる税金と最新動向をチェック

空き家問題が深刻化している今、政府も問題解決に向けて動き出しています。

なぜ空き家は所有しているだけで損なのか?今回は、知っているようで意外と知らない空き家問題の事情や空き家にかかる税金の種類、話題の「空き家税」についても詳しく解説していきます。

空き家所有はなぜ問題になるのか?

「空き家」と聞いた時、皆さんはどんな住宅を想像するでしょうか?まずは、空き家がもたらす問題について見ていきます。

空き家には種類がある

ひと言で「空き家」といっても種類があることをご存知でしょうか?2015年に国土交通省によって施工された「空家等対策の推進に関する特別措置法」によると、1年以上住んでいない、または使われていない家を「空き家」と定義しています。

空き家の種類ごとの定義は次の通りです。

賃貸用の住宅

新築か中古かに関わらず、賃貸のために空き家となっている住宅のこと。「平成30年住宅・土地統計調査特別集計(総務省統計局)」によると、日本全国の空き家のうち、全体の50.9%を賃貸用空き家が占めています。

売却用の住宅

新築か中古かに関わらず、売却することを目的として空き家になっている住宅のこと。同集計によると、空き家全体から見て3.5%の割合です。

二次的住宅

休暇の際に避暑や避寒、保養などを目的として使われる別荘や、残業などで遅くなったときに寝泊まりする家のように、普段は人が住んでいない住宅のこと。同集計によると、空き家全体の4.5%の割合です。

その他の住宅

賃貸用の住宅、売却用の住宅、二次的住宅以外の人が住んでいない住宅のことで、転勤や入院など、何らかの理由によって長期不在になっている住宅や、取り壊すことになっている住宅を指します。同集計によると、空き家全体の41.1%を占めていて、近年最も増加傾向にある種類です。

参照:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査特別集計」

※「住宅・土地統計調査」とは、総務省統計局が、全国約 370 万住戸・世帯を対象に、5年に1度実施している基幹統計調査で、空き家についても調査の対象としています。

増え続ける空き家の問題点

総務省の調査によると、空き家率は13.6%と過去最高を記録。これは、1963年以降、継続して増加傾向にあるそうです。13.6%を戸数にすると、848万9千戸。戸数で見てみると、かなり多いことが分かります。

空き家のまま放置されていると、雑草が伸びて景観が悪化するだけでなく、不衛生な状態からの悪臭の発生老朽化による家屋の倒壊など、近隣住民へも悪影響を与える危険性があり、ご近所トラブルに発展してしまうケースもあります。

また、不法侵入や不法占拠、空き家内部での犯罪や放火などの犯罪リスクが高まり、周辺地域の治安にも悪影響を及ぼします。

税金が6倍になる「特定空き家」とは?

2015年に「空き家対策特別措置法」が施行され、空き家対策が強化されました。この法律によって、悪質と思われる空き家放置には行政が介入できるようになり、一定の条件を満たした空き家は「特定空き家」に指定されます。国土交通省が示す、特定空き家の基本指針は次の通りです。

▼特定空き家の基本指針

  1. 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

調査によって特定空き家に指定された場合、自治体から「助言・指導」が行われ、それにより状況が改善すると指定は解除されます。

改善が行われない場合には「勧告」がなされ、特定空き家の宅地は固定資産税や都市計画税の計算上、住宅用地特例の対象から除外されることとなり、その結果、翌年以降の固定資産税等は大幅に増加します。固定資産税は最大6倍にまで跳ね上がってしまうので、勧告を無視せず誠実に対応しなければいけません。

それでもなお放置すると「命令」に切り替わり、従わない場合には50万円以下の罰金が科されます。最終的には自治体が空き家を取り壊し、その取り壊し費用を所有者に請求する「行政代執行」に移行されます。

空き家にかかる税金は2種類

空き家にかかる税金は、主に2つあります。ここからは、空き家を所有しているとどのような税金がかかってしまうのかご説明します。

固定資産税

固定資産税とは、毎年1月1日現在に土地と家屋、償却資産(総称して「固定資産」と言います)を所有している人が、その資産の価格を基に算定された税額を納める税金です。空き家に限らず、全ての不動産には固定資産税がかかります。

〈固定資産税の計算式〉
固定資産税=固定資産税評価額×固定資産税税率 1.4%

たとえば、所有している不動産の評価額が3,000万円と計算された場合、固定資産税は「3,000万円×1.4%=42万円」となります。固定資産税は空き家だけでなく、空き家の土地に対しても発生しますので、お忘れなく。

上記のとおり、固定資産税を求める計算式は比較的簡単なものですが、その前提となる「固定資産税評価額」を求める式は複雑です。

〈固定資産税評価額の計算式〉
固定資産税評価額=評点1点あたりの価額×床面積×単位面積あたりの再建築費評点×経年減点補正率

そもそも「固定資産税評価額」とは、総務省が定めた「固定資産評価基準」に基づいて、各自治体が土地と家屋それぞれに対して定めるものです。土地のおよその固定資産税評価額は、公示価格の70%程度と言われていますが、立地や周辺環境によって差がでます。

また、建物についてはその建物を今もう一度建てるのにかかる費用である「再建築価格」をもとに計算します。新築時は再建築価格の50%~70%程度を目安にしますが、その後は「経年減点補正比率」によって減価していき、20%が下限となります。そのため、築年数が古い木造の空き家の場合は、再建築価格の20%程度と考えられるでしょう。

都市計画税

都市計画税は、都市計画事業や土地区画事業の費用に充てることを目的とした市町村税(東京23区の場合は都税)のこと。市街化区域内に土地や家屋を持っている場合のみ、毎年課される地方税です。

ご自身が所有する空き家が市街化区域にあるかどうかは、地方公共団体(自治体)や不動産会社に聞いてみましょう。インターネットで調べるという方法もあります。

〈都市計画税の計算式〉
都市計画税=固定資産税評価額×制限税率 0.3%

都市計画税も空き家になっている建物本体とその土地のふたつが課税対象となるので注意しましょう。

負担を軽くする「住宅用地の特例措置」

ちなみに、固定資産税と都市計画税の負担を軽減する「住宅用地の特例措置」というものがあります。こちらは、住宅やアパートなど、人が居住する建物の敷地となっている住宅用地は、固定資産税が次のように軽減されるものです。

  • 200m²以下の住宅用地(小規模住宅用地)→課税標準額を1/6減額(都市計画税は1/3)
  • 200m²を超える住宅用地(一般住宅用地)→課税標準額を1/3に減額(都市計画税は2/3)

住宅用地の特例措置が適用される場合、空き家のままにしておく方が節税になるケースがあります。ちなみに、空き家を更地にすると建物に対する税金負担はなくなりますが、住宅用地の特例措置は適用されなくなってしまうので注意しましょう。

しかし、どんなに税金を抑えられても、空き家を所有し続けるデメリットは少なくありません。国が進める空き家対策も年々重くなってきているので気になるところです。

空き家対策の最新動向

この20年で2倍近く増加している空き家。日本では国を挙げて課題解決を目指しています。空き家対策の新たな制度について見ていきましょう。

新たに閣議決定された「空き家法」

2023年3月、空き家対策を総合的に強化することを目的に「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」が 閣議決定されました。挙げられた項目は以下の4つです。

  1. 所有者の債務強化
  2. 空き家等の活用拡大
  3. 空き家等の管理の確保
  4. 特定空き家等の除去等

空き家所有者には「適切な管理の努力義務」がありますが、加えて「国・自治体の施策に協力する努力義務」が追加されました。

空き家を減らし、空き家対策の重要性と空き家のリスクを周知すると同時に、空き家の流通・活用の促進にも力を入れるための制度です。

全国に拡大!? 京都市が導入した「空き家税」

日本屈指の観光地・京都市では、全国初の「空き家税(正式名称:非居住住宅利活用促進税制)が2026年度に導入される予定となりました。これは、利用されていない空き家や別荘などに課税される新たな税金です。

歴史ある古都の景観保全のため、建物の高さ規制がある京都では住宅の供給不足が課題となってきました。そこで、空き家の売却や賃貸利用を促進することで住宅不足を解消しようという試みが「空き家税」です。固定資産税とは別で税金が課されるため、空き家所有者には重い負担となりそうです。

今後、空き家問題を抱える他の自治体も空き家税を導入し始めるだろうと予測されているため、他人事ではありません。

空き家は早めの対策が重要

所有しているだけでコストがかかる空き家。課税を抑えるために考えられる対策をご紹介します。

①売却する

売却できれば空き家の所有権は購入者へ移動し、空き家の管理責任がなくなります。もちろん、空き家にかかる税金からも解放されることになります。

なお、売却していなくても、売却を予定している非居住住宅は課税が免除されます(1年を経過しても契約に至らない場合を除く)。将来住む予定がない空き家を放置している場合は、少しでも早く売却活動を始めましょう。

②賃貸に出す

借主が空き家だった建物を管理してくれるため、特定空き家を回避できます。ただし、賃貸を始めるためにリフォームや清掃を業者に依頼する場合もあるため、費用がかかることも念頭に置く必要がありそうです。

不動産売却・買取のご相談は協和住建へ

今回は、空き家を所有しているとかかる税金と、空き家を取り巻く今後の動向についてご紹介しました。

どんなに思い入れのある住宅も、上手く活用できなければ負の遺産となってしまいます。近隣の住民や地域環境に悪影響を与えてしまう前に、早めの対策を検討しておくことが大切です。

私たち協和住建は、創業から20年以上にわたって新潟県の不動産を取り扱ってまいりました。不動産倍角に関する相続問題や税金、権利関係の調査まで、お客様にとってご負担の大きい事項も経験豊富なスタッフが丁寧にサポートいたします。

不動産の売却・買取を考えている方は、お電話やお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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