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不動産売却における間取り表示の決まりを知っていますか?不当表示で罰せられるリスクも

売却額に差が出る?間取り表示の決まりを知っていますか?

部屋を探している時だけでなく、不動産売却でも注目したいのが「間取り表示」。実は、取引金額が大きな不動産売却では、広告に厳しいルールが課せられており、違反する内容で広告を打ち出してしまうと、罰金や違約金を支払わなければいけなくなる可能性もあるんです。

今回は、不動産売却をお考えであれば知っておきたい不動産広告の基礎知識、間取り表示について解説していきます。不動産広告で使用が禁止されている不当表示についても合わせてチェックしていきましょう。

不動産広告の基礎知識

驚く方もいるかもしれませんが、10年ほど前まで不動産広告の表記について明確な基準は設けられていませんでした。

ルールが決められたのは2011(平成23)年。「不動産の公正競争規約」の統一的かつ効率的な運用を図り、消費者に対する適正な情報提供を推進することを目的として設立された「不動産公正取引協議会」によって一定の基準が定められました。

これによってDKやLDKといった間取り図の表示規約、駅から物件までの所要時間の算出方法などが細かく決められています。

不動産広告に関する法律&ルール

不動産広告に関する法律には主に2つあります。

そのうちの一つ、「宅地建物取引業法」では、「誇大広告等の禁止」が定められているほか、「広告開始時期の制限」「取引態様の明示義務」があります。「公園すぐ」「日当たり抜群」などの根拠の無い表現は誇大広告に当たるので、不動産広告を作成する際には把握しておきたいものです。

また、不動産広告で特に重視したいのが「景品表示法(不当景品類および不当表示防止法)」。品質や価格について、実際よりも優良または有利であるように見せる表示は、不動産に限らずあらゆるビジネスで禁止されています。不動産業界では景品表示法に違反しないよう、「公正競争規約」としてルールを定めているため、公正競争規約を遵守できていれば「景品表示法を守っている」という判断になります。

宅地建物取引業法、景品表示法は違反すると、懲役または罰金、違約金が発生する場合もあるので注意が必要です。

不動産広告作成時に注意すべき表示基準

物件の内容や取引条件など、不動産広告に掲載される内容は「不動産の公正競争規約」の中で表示基準がまとめられています。表示基準が作られた目的は、一般の消費者でも簡単に理解できる表示を行うこと。規約によりそれぞれの表示方法が定められているため、注意しなければいけません。ここでは「不動産の公正競争規約」における表示基準の一部を抜粋しご紹介します。

〈物件の内容・取引条件等に係る表示基準〉

取引態様

「売主」「貸主」「代理」又は「媒介」(「仲介」)の別をこれらの用語を用いて表示すること。

物件の所在地

物件の所在地は、都道府県、郡、市区町村、町又は字及び地番を表示すること。ただし、パンフレット等を除き都道府県及び郡は省略することができる。

交通の利便性

最寄り駅もしくは最寄りの停留所の名称および徒歩所要時間を明示して表示すること。

各種施設までの距離または所要時間

道路距離又は所要時間を表示するときは、起点及び着点を明示して表示すること。なお、道路距離又は所要時間を算出する際の物件の起点は、物件の区画のうち駅その他施設に最も近い地点(マンション及びアパートにあっては、 建物の出入口)とし、駅その他の施設の着点は、その施設の出入口(施設の利用時間内において常時利用できるものに限る)とする。

引用・参照:不動産公正取引協議会連合会/不動産の公正競争規約/第5章表示基準/p12

間取り表示に関する規約

不動産公正取引協議会が定める「不動産広告の表示規約」では、よく見る間取り表示にも決まりがあります。その代表的な例が「DK」と「LDK」の違いです。部屋数や広さによって明確な基準が設けられています。

  • DK(ダイニング・キッチン)…台所と食堂の機能が1室に併存している部屋をいい、住宅(マンションにあっては、住戸)の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するものをいう。
  • LDK(リビング・ダイニング・キッチン)…居間と台所と食堂の機能が1室に併存する部屋をいい、住宅の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、 形状及び機能を有するものをいう。

引用・参照:表示規約第18条(特定用語の使用基準)第1項第3号及び第4号

▼DK・LDKの最低必要な広さ(畳数)の目安(下限)

居室(寝室)数

DK

LDK

1部屋

4.5畳

8畳

2部屋以上

6畳以上

10畳以上

引用・参照:不動産公正取引協議会連合会/不動産の公正競争規約/DK・LDKの広さ(畳数)の目安となる指導基準/p50

不動産売買でも重要な間取り図の見方

不動産査定を行う際、間取り図は売却額を左右する大きなポイントとなります。不動産を売却する際は、部屋数や広さ、収納スペースが間違いなく記載されているか入念にチェックしましょう。ここからは、知っているようで意外と知らない間取り図の見方についてご案内していきます。

間取図を見る時にチェックするべき項目

賃貸物件でもおなじみの間取り表記。たとえば1DK(ワンディーケー)と表記する場合は、ダイニングキッチン(台所)は4.5畳以上の広さが必要となることをご存知でしょうか。1LDKの場合は、リビング・ダイニング・キッチン(居間)は8畳以上。2~4.5畳程度の広さの独立したキッチンを持つ部屋は1K(ワンケー)と、間取りの表記には広さの決まりがあります。なお、キッチンと居室部分が分かれていない部屋は1R(ワンルーム)です。

 

広さ(畳数)の目安(下限)

1部屋(1K、1DK、1LDK)

キッチン(居間・台所)4.5畳以上=1DK

キッチン(居間・台所)8畳以上=1LDK

2部屋以上(2K~、2DK~、2LDK~)

キッチン(居間・台所)6畳以上=2DK~

キッチン(居間・台所)10畳以上=2LDK~

また、一畳当たりの広さは1.62平方メートルという基準があります。つまり、帖数×1.62㎡を計算すると、お部屋のおおよその広さ(面積)を測ることができるのです。

※エリアや物件によって計算方法が異なります。目安として参考にしてください。

間取り図に使われる部屋・スペース名を解説

間取り図を見ていると、よく分からない英字が記載されていたことはありませんか?不動産売買でも重要な間取り図をより深く知るため、部屋名・スペース名の略字を理解しておきましょう。

  • BR…寝室もしくは洋室
  • S…サービスルーム・納戸(納戸は「N」と表記される場合もあります)
  • CL…クローゼット
  • WC…トイレ
  • WIC…ウォークインクローゼット
  • WTC…ウォークスルークローゼット(歩いて通り抜けできる収納)
  • PS…パイプスペース・パイプシャフト
  • R…冷蔵庫スペース
  • W…洗濯機スペース
  • AC…エアコン
  • EV…エレベーター
  • SB…シューズボックス
  • UB…壁・天井・床が一体となった浴室(ユニットバス)
  • MB…電気・ガス・水道のメーターボックス 

不動産売買で気をつけたい「不当表示」とは

不動産広告の表示に関する違反として最も多い問題は「おとり広告」と言われています。

「希望に合った優良物件が掲載されていたので不動産会社に問い合わせてみると、理由を付けて他の物件を売りつけられた」という事例も少なくはありません。注意したい「不当表示」とはどんなものか確認していきましょう。

不動産広告で見受けられる「不当表示」

売主も買主も気を付けたいおとり広告には、2つのパターンが考えられます。

  1. 実際には存在せず、取引することができない物件
  2. 実際に存在するが、現実には取引対象と成り得ない物件(すでに売れてしまっている、リフォーム前の情報 など)

たとえば、Webサイトに掲載している物件の中に成約物件の消し忘れがあると、不当表示に該当する場合があります。成約済みの物件は「おとり広告」と見なされる可能性が高いため、お持ちの不動産が売れた際はインターネット広告が残っていないか注意を払いましょう。

不当表示に該当する悪例

不動産売却を検討している方から寄せられる相談には、意外にも不当表示につながりそうな案件がちらほら見られます。

次の2つは、首都圏不動産公正取引協議会に寄せられた不動産広告の相談事例です。あなたが「大丈夫だろう」と思っていた行動も、実は「不当表示」に該当してしまうかもしれません。正しい知識のもとで不動産売買を進めましょう。

Q.2LDK+S(納戸)の物件を、売却依頼者の強い要望があって「3LDK」と表示したい

 

A.建築基準法第28条の規定に適合しないため居室と認められない納戸その他の部分については、寝室その他の居室であるかのように「3LDK」と表示することはできませんし、1室としてカウントすることもできません。

この売却依頼者の強い要望に応じて「3LDK」と表示した場合、広告の表示責任は売却依頼者ではなく、広告主である不動産事業者が負うことになりますので、「納戸」とは何かをしっかりと説明して正しく表示してください。

Q.建物の前面にある電柱や電線を消して、現地写真と物件をCG合成した写真の下に「※現地写真に建物完成予想図をCGにより一部修正を加えて合成したものです。実際とは多少異なります。」と注記して表示したいが、問題ないでしょうか?

 

A.この表示案は、物件の周囲の環境に変更を加えており、実際のものよりも著しく優良なものであると誤認されるおそれのある不当表示に該当します。また、表示規約施行規則第9条第23号において、「宅地又は建物の見取図、完成図又は完成予想図は、その旨を明示して用い、当該物件の周囲の状況について表示するときは、現況に反する表示をしないこと。」と完成予想図等の掲載基準を定めていますので、この基準を遵守して表示してください。

なお、「一部修正を加えて合成したものです。実際とは多少異なります。」と注記さえすれば掲載できると思われている感がありますが、注記の記載をもって、一般消費者の誤認が排除されるとは認められませんので、不当表示を免れることはできません

引用・参照:首都圏不動産公正取引協議会/不動産広告の相談事例/不当表示の禁止

不動産売却・買取のご相談は協和住建へ

今回は、不動産売却を進める前に確認するべき不動産広告の基礎知識と間取り図の表示についてまとめました。

間取り図は、不動産売買において売却額の判断基準にもなります。少しでも高く売却したいからといって、公正競争規約に違反してしまうと不動産公正取引協議会から調査が入り、警告と併せて違約金が課せられる場合があります。誇大表現や誤りがないように、表示規約を確認しながら売却活動を行いましょう。

私たち協和住建は、創業から20年以上にわたって新潟県の不動産を取り扱ってまいりました。弊社が持つノウハウを生かし、お客様一人ひとりのご要望に合わせて最良の提案をさせていただきます。

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