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2024.11.21
共有名義の不動産も売却できる!単独名義との違いや売却の流れを詳しく解説
1つの不動産を複数人で共有することを指す、「共有名義不動産」。
メリットが多い一方で、売却までの流れが複雑になるなどの注意点があります。不動産所有者の中には、「共有名義を考えているけれど、売却時に不利にならないだろうか」と悩んでいる方も多いでしょう。
今回は、共有名義不動産の特徴や売却方法、不動産売却時の必要書類について詳しくご紹介します。
共有名義不動産の売却時によくあるトラブル&対策方法についても必見です。
不動産売却における共有名義とは
不動産の共有名義とは、1つの不動産を夫婦や親族等の複数人で持っている状態のこと。
共有者それぞれの所有権の割合を持分割合(もちぶんわりあい)といい、不動産を購入した際の支払金額によって所有権の割合が決まります。共有名義の詳細や、共有者の持分割合を確認したい場合は、登記簿謄本(登記事項証明書)から確認できます。
共有名義と単独名義の違い
共有名義と単独名義の大きな違いは、所有者の人数です。
単独名義では、1人で1つの不動産を所有するため、意思決定の自由度が高く、不動産売却におけるさまざまなリスクやコストまで分散できます。その他にも、共有名義にはさまざまなメリットが挙げられます。
共有名義のメリット
共有名義には、主に以下のようなメリットが挙げられます。
- 共有者それぞれに住宅ローン控除が適用される
- 売却時の特別控除が共有者それぞれに適用される
- 相続税を抑えられる
共有名義では、税金面でのメリットが多いのが特徴です。
夫婦でマイホームを購入する場合には、夫婦それぞれの収入に対して住宅ローン控除が適用されます。住宅ローン控除は所得税や住民税から減税される仕組みとなっているため、共有名義ではより多くの控除が期待できるでしょう。
また、購入時だけでなく、売却時にも大きなメリットがあります。
売却時には譲渡所得から控除を受けられる特例があり、共有名義の場合はその控除が共有者それぞれに適用要件を満たす可能性もあるのです。詳細は不動産会社に確認しましょう。
共有名義の注意点
共有名義にはメリットがたくさんある一方、下記のような注意点も考えられます。
- 不動産売却時には共有者全員の同意が必要となる
- 共有者が死亡するとその人の持分が相続対象になる
- 共有者同士での費用トラブルが発生してしまう可能性がある
共有名義の場合、自分1人の意思だけで決定できることはありません。売却するにしても、リフォームをするにしても、貸し出すにしても。必ず不動産を共有している全員の同意が必要です。
自由度が低いだけでなく、共有者同士でのトラブルが起きやすい点にも注意が必要です。
例えば、共有名義だと固定資産税や維持管理費はそれぞれの持分割合に応じて負担することが一般的ですが、まれに未払い等によるトラブルが発生することも。家族や親戚であっても問題が生じるケースはあるので気を付けましょう。
共有名義不動産の売却方法
単独の判断では売却ができない共有名義不動産。ここからは、共有名義不動産の3つの売却方法を解説します。
共有者全員の合意を得て売却する
共有者全員の合意を得られれば、不動産をそのまま売却できます。まとめて売却すれば相場と大差ない価格で売却でき、入ったお金は共有者で分配することになります。
3つの売却方法の中で最もスムーズかつ高い価格で売却できる方法ですが、1人でも反対者がいたら実現できません。特に、共有者の人数が多い場合は、全員の合意を得るのが難しいケースもあるでしょう。
自己持分のみを売却する
共有名義不動産が土地の場合は、自己持分のみを売却するという方法もあります。各自に配分された持分であれば単独判断で自由に売却でき、共有者間でのトラブルを心配する必要はありません。
ただし、不動産全体と比較すると売却価格が低くなるデメリットがあります。持分割合によっては買い取ってもらえない可能性もあるため、事前に不動産会社へ条件を確認しておきましょう。
不動産を単独名義に変更してから売却する
共有者の持分を買い取って、単独名義に変更してから売却する方法もあります。この場合も、共有者全員の合意を得る必要があるため、勝手に進めることはできません。売却したいと考えた時点で、共有者に相談することを心掛けましょう。
共有名義不動産を売却する流れと必要書類
共有名義不動産を売却する際、単独名義の売却時とは手順や必要書類が少々異なります。
STEP1:売却方法を決めて必要書類を用意する
共有者と相談しながら、売却方法を検討しましょう。売却方法が確定したら、以下のような必要書類をそろえます。もちろん、共有者全員が用意しなければいけません。
- 【最低限必要なもの】登記識別情報通知または登記済権利証
- 【最低限必要なもの】身分証明書・住民票
- 【最低限必要なもの】実印・印鑑証明書
- (立ち合い不可となる共有者のみ)委任状
- (土地の場合)境界確認書、地積測量図
- (戸建ての場合)建築確認済証、検査済証
- (マンションの場合)管理規約、管理組合総会議事録など
- 固定資産評価証明書
- 固定資産税、都市計画税納税通知書
必要書類は、不動産の種類や自治体によって異なる場合があるため、不動産会社へ確認しましょう。
STEP2:不動産会社へ査定を依頼する
不動産売却の意思が固まって必要書類の用意ができたら、不動産会社へ査定を依頼しましょう。
不動産査定の方法は、主に簡易査定と訪問査定の2種類があります。共有者間で売却の意思が固まっている場合、査定の精度が高い訪問査定を行うのがおすすめです。売却の参考価格を見てから売却するかどうかを決めたい場合は、簡易査定で素早く査定するのも良いでしょう。ただし、不動産売却時には訪問査定が必ず必要となることも、忘れてはいけません。
STEP3:売却条件を調整する
不動産査定で売却活動を依頼したい不動産会社が見つかったら、媒介契約を締結して売却条件を調整していきます。
条件の調整では、希望の売却価格や売却時期、優先事項、販促内容などを整理しましょう。共有名義不動産の場合、要望は自分1人のものを伝えるのではなく、共有者とすり合わせた内容を伝えることが重要です。売却活動を始めてから「そんな条件で売却するなんて聞いていない」というトラブルが生じると、売却までに時間を要してしまう原因となります。
STEP4:売買契約を締結する
売却条件が固まると、不動産会社が販促活動を行ってくれます。購入希望者が見つかり次第、条件交渉を行い、交渉が成立したら売買契約を締結しましょう。
スムーズに売却を行いたいなら、共有名義不動産の売買実績が多い不動産会社に依頼するのがおすすめです。単独名義とは異なる配慮や確認が必要になるため、プロの視点から適切なアドバイスをしてくれる不動産会社を選ぶようにしましょう。
STEP5:不動産の引き渡しと精算
売買契約が成立したら、不動産の引き渡しと精算をして完了です。
売却価格を共有者間で割り振るときは、持分割合に応じて割り振るのが一般的。売却後に割合でもめることがないよう、価格の割り振りについても事前に決めてから売却活動を進められると安心です。
共有名義の不動産売却でよくあるトラブルと対策方法
共有名義の不動産売却は、複数人が関わるためトラブルが生じやすいのも特徴です。トラブルを未然に防ぐために、よくあるトラブル事例と対策方法をチェックしましょう。
トラブル①共有者間で売却に対する意見が合わない
共有名義不動産では、売却方法や条件に関する意見の相違はよく発生するトラブルの一つです。
例えば、親から相続した不動産の場合、「売却して現金化したい」「思い出があるのでそのまま残したい」など、意見の相違が考えられます。
この場合、できるだけ早い段階で冷静に話し合うことが重要です。合理的な解決策を導き出すためにも、感情的な意見対立は避けましょう。他の対処法としては、専門家の仲介や共有物分割請求訴訟等もあるため、状況に応じて適切な手段を選択してください。
トラブル②売却後に分配割合でもめる
共有名義の分配割合でもめるケースの多くは、持分の曖昧さや購入時の負担割合の不明確さが原因となっています。
そうならないように、共有名義不動産を取得するタイミングで、明確な取り決めを行うことが大切です。対策としては、売却時の分配割合を明確に記載した「共有契約書」を作成しておく方法や、共有者全員が納得できる内容の「覚書」「合意書」を結ぶ方法もあります。
新潟の不動産売却は協和住建へ
今回は、共有名義不動産の売却方法についてご紹介しました。
共有名義不動産は、複数人が1つの不動産を所有していることから、売却時は条件や分配割合について事前に冷静な話し合いを経て、明確に取り決めをしておくことが重要です。共有者の合意を得られ不動産売却を決めた際には、信頼できる不動産会社へ売却サポートを依頼しましょう。
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