2025.09.30
土地を売却する時の注意点とは?売却前に押さえておきたい基礎知識を解説

「手持ち無沙汰の土地を売却したい」と考えたとき、多くの方が「何から始めればいいのか分からない」「相場や税金について不安がある」と悩むのではないでしょうか?特に新潟市のように地域によって需要や相場が異なるエリアでは、事前の知識があるかないかで売却の結果が大きく変わります。
この記事では、新潟市で土地を売却する際に押さえておきたい基礎知識や流れ、注意点をわかりやすく解説していきます。
土地売却の基礎知識
土地売却の流れを正しく理解することは、スムーズで失敗のない取引につながります。ここでは土地売却の基本ステップを整理し、売却活動の第一歩を踏み出せるように解説します。
土地を所有しているだけで金銭的な負担が発生する
相続した土地を活用することなく、そのまま所有しているという方もいるでしょう。しかし、土地は所有しているだけで金銭的な負担が発生します。
例えば、活用の有無に関わらず避けられないのが固定資産税の納付です。他にも維持費や管理費といったランニングコストも発生するでしょう。年単位では少額だとしても、所有している限り出費は続くため、結果的に大きな負担となるので注意が必要です。
さらに問題なのが、土地内に空き家が建っているケースです。建物が古くなり、倒壊の危険や衛生面の問題があると特定空き家に指定されてしまい、固定資産税の優遇措置を受けられなくなってしまいます。そのため、不動産を運用する予定がない土地は、早めの売却をオススメします。
売却には主に「買取」と「仲介」2つの方法がある
土地売却には大きく分けて「不動産会社による直接買取」と「仲介による一般市場での売却」の2種類があります。
買取は不動産会社が直接土地を買い取る方法で、短期間で現金化できるメリットがあります。ただし仲介よりも価格はやや低くなりやすい傾向です。
仲介は不動産会社に広告や販売活動を依頼し、買主を探してもらう方法です。相場に近い価格で売却できる可能性が高い一方、売れるまでに時間がかかることもあります。
自分の売却目的が「とにかく早く現金化したい」のか「できるだけ高く売りたい」のかを明確にすると、どちらの方法を選ぶべきかが見えてきます。
土地売却に必要な書類とは?
次に土地売却時に必要な書類についてご説明します。最初から全ての書類をそろえる必要はありませんが、取引を進める上でいずれ必要になるため、早めにそろえておけると安心です。
土地売却に必要な書類・資料 |
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不動産取引は大きな金額が動くため、本人確認書類や土地の所有権を確認する登記識別情報など、公的な書類を複数用意しなければいけません。必要な書類をきちんとそろえ、適正価格での売却を実現しましょう。
また、取引完了後に確定申告を行う際は、不動産売却による利益(=譲渡所得)を明らかにするために土地の価値を示す書類が必要になります。土地の入手・売却にかかった費用や実際の売買金額を証明する書類を用意できない場合、納税時に損をしてしまうこともあるため気を付けましょう。
土地売却の基本的な流れ
土地売却の基本的な流れについてご説明します。買取か仲介かで、途中の流れが変わります。
【土地買取】
- 情報収集・境界線の確認
- 価格査定を受ける
- 不動産会社と売買契約の締結
- 決済・引き渡し
- 確定申告(譲渡所得が発生する場合)
買取での土地売却の場合、価格査定を受けてから引き渡しまでにかかる期間は1週間〜数週間程度が目安です。仲介に比べて期間が短いため、早く現金化したい方にオススメです。
【土地仲介】
- 情報収集・境界線の確認
- 価格査定を受ける
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 売り出し価格を決める・売却活動
- 売買契約の締結
- 決済・引き渡し
- 確定申告(譲渡所得が発生する場合)
仲介での土地売却の場合、価格査定を受けてから引き渡しまでにかかる期間は3カ月〜6カ月程度が一般的。焦って売却すると損をしてしまうこともあるので、6カ月を目安にスケジュールを立てましょう。
もしも売却期限がある場合は、あらかじめ不動産会社の担当者に共有しておきましょう。実績が豊富な不動産会社であれば、希望の期限に合わせた最適なプランを提案してくれるでしょう。期限を伝えていないと、売却の方針が食い違い、思った通りのスケジュールで進まない恐れもあります。要望や気になる点があれば、あらかじめ不動産会社の担当者に相談しておきましょう。
土地売却における4つの注意点【トラブル事例あり】
土地売却を進める中で、予期せぬトラブルに巻き込まれることがあります。ここでは、トラブルが発生した際に迅速な判断と対処ができるよう、事前によくあるトラブルの事例を確認しましょう。
注意点1.土地の名義人を自分に変更しておく
相続した土地でよくあるトラブルが、土地の名義人が変更になっていないケースです。土地の名義人が自分以外の人の場合は土地を売却できません。土地を売却できるのは、登記事項証明書に不動産所有者として記載されている人のみ。土地を相続しても名義が自動的に変わるわけではないので、必ず相続登記の手続きが必要です。
相続登記には、主に以下の書類が必要となります。
- 被相続人の戸籍謄本または除籍謄本
- 相続人の戸籍謄抄本
- 被相続人の本籍の記載のある住民票(除籍または戸籍の附票があるもの)の写し
- 相続人の住民票の写し
- 固定資産評価証明書
- 遺産分割協議書や印鑑証明書(法定相続分以外で名義変更する場合)
相続登記は専門的な知識が必要となるため、司法書士や土地家屋調査士に依頼します。依頼する際には10万円程度の費用がかかることも覚えておきましょう。
関連記事:相続した不動産を売却する流れ|相続登記の必要書類や注意点まで解説
注意点2. 仲介手数料の上限を把握する
不動産会社から請求される仲介手数料にも注意が必要です。悪徳業者の場合、法外な金額の仲介手数料を請求してくる場合があります。仲介手数料の相場や法律で定められた上限を把握していないと、違法な費用を請求されてしまうかもしれません。法律で定められている仲介手数料は以下の通りです。
【原則】
取引物件価格(税抜) |
仲介手数料の上限 |
200万円以下 |
取引物件価格(税抜)×5%+消費税 |
200万円超~400万円以下 |
取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税 |
400万円超 |
取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税 |
また、2024(令和6)年7月1日に法改正が行われ、物件価格800万円以下の場合は仲介手数料の【特例】が設けられます。
【特例】
取引物件価格(税抜) |
仲介手数料の上限 |
800万円以下 |
30万円+消費税 = 33万円 |
出典)設産業・不動産業:<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ | 国土交通省
この法改正により、取引物件価格が800万円以下の場合、仲介手数料が最大33万円に引き上げられました。その背景には増加する空き家問題があります。その対策として、不動産会社の空き家取引を後押しする目的で今回の特例が作られました。物件を売りたい消費者側としては、仲介を断られていたような物件も、今後取り扱ってくれる可能性が高くなる点はメリットです。一方で、売却にかかる費用が上がる点はデメリットになり得るでしょう。
仲介手数料は上限のみが法律で定められているため、上限額以内で不動産会社が自由に設定できます。下限額は設定されていないので、実際に依頼する際は、複数の不動産会社を比較検討してみてください。
注意点3. 重要事項の不告知に注意
土地売却のように高額資産を売買する場合は、購入に影響するような重要事項を買主に告知する義務が定められています。土地の欠点(瑕疵)を伝えていなかったり、伝えた情報と相違があったりすると、契約解除や損害賠償請求に発展する可能性があるので細心の注意が必要です。
重要事項の不告知でトラブルになるケースはさまざまあります。
- その場所で事故があったという心理的な欠点(瑕疵)
- 隣人の騒音などの環境的な欠点(瑕疵)
- 土地が液状化しているなどの物理的な欠点(瑕疵) など
告知すべき事項の判断が難しい場合は、不動産会社に相談するのが賢明です。少しでも気になる点は告知するようにしましょう。
注意点4. 測量を行い正しい土地面積を確認
「境界問題」は土地売却で多いトラブルの一つです。不動産登記簿謄本に記載されている内容の中でも、土地面積の確認はとくに重要なので、必ず行いましょう。不動産登記簿謄本に記載されている土地面積の数値よりも実際の測定値が小さいことがあります。面積が小さかった場合は売却額も低くなってしまうので注意しましょう。
特に、古くから所有している土地は、区画変更や新設された道路の影響で、不動産登記簿謄本よりも小さくなっていることがあります。売却前にきちんと土地面積の測量を行い、現段階での正しい数値を出しておきましょう。
土地売却を成功させるための4つのポイント
ここまでトラブルに巻き込まれないための注意点を説明しましたが、最後に、「土地の売却を成功させるための4つのポイント」を紹介します。ぜひご自身の売却活動に活かしてください。
ポイント1.売却活動を始める前に境界線を確認
スムーズに売却を進めるためには、ファーストステップである境界線の確認が重要です。正しい境界線が分かることで、土地の面積を正確に出し、土地価格を算出することができます。境界線がはっきりしていれば改めて測量する必要はありませんが、先祖代々受け継いできた古い土地や手入れがされていない土地の場合、隣り合っている土地との境界線が曖昧になっていることもあるのです。
境界線によって発生する損失や隣人とのトラブルを避けるためにも、土地を売却する前に土地家屋調査士に測量を依頼しましょう。土地家屋調査士は、古い文献や資料、測量、現地調査などから土地の境界線を正確にする専門家です。隣地の所有者との話し合いも専門家の観点から行ってくれるので、安心して任せられます。土地家屋調査士への依頼は、不動産会社を通して紹介してもらうと間違いがありません。
ポイント2.複数の不動産会社に依頼して価格査定を受ける
土地の価格査定を受ける際には、複数の不動産会社に依頼しましょう。理由は、不動産会社によって得意な分野やエリア・査定額が異なることがあるからです。
また、土地売却で失敗しないためには、あらかじめ自身で相場を把握しておく必要があります。国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公示している標準値の価格・公示価格は、同省の公式ホームページで確認しましょう。例えば、「新潟県」「新潟市東区」を選択し、地価情報や地価調査年といった条件を設定すると、該当する取引の地価情報が一覧で出てきます。土地の大きさや立地の特徴などによる取引の傾向を確認できるので、査定時の参考にしてみてください。
土地の価格には、周辺の生活環境や社会情勢なども関わっています。折り込みチラシや不動産のポータルサイトで近隣の不動産売買の傾向を調べたり、似ている条件の不動産の売却額を調査したりすることで、おおよその相場を把握できます。
こうした準備をしておくと、不動産会社から提示された査定額と相場に差がある場合に詳しく理由を尋ねることができ、納得した上で売却活動を進められます。
ポイント3.広すぎる土地は分けて売却することも◎
広大な土地を所有している場合は、一つの土地を複数の土地に分ける「分筆」をするのがおすすめです。広ければ広いほど、土地の売却額は上がり、購入希望者にはなかなか手が届かない状態になってしまいます。使い道や買主も限定されてしまうでしょう。
そこで役立つのが、土地の「分筆」です。分筆とは、登記簿上の一つの土地を複数の土地に分けて登記をする手続きのことで、土地の一部を売却する時や、一つの土地を複数に分けて売却する時に行います。
建築協定や地区計画によって土地の最低面積が制限されている場合など、まれに分筆ができないケースもあるので、あらかじめ確認が必要です。ターゲットが使いやすい土地の形・面積に分けることができれば、購入希望者が集まりやすくなることが期待できます。その土地の需要にもよるので、信頼できる不動産会社に相談しましょう。
ポイント4.利益が出た場合は、確定申告まで行う
土地を売却して得られた利益を「譲渡所得」といい、課税の対象となります。売却額全額に対して課税されるのではなく、そこから土地を取得するためにかかった取得費や譲渡にかかった費用を差し引いた利益にかかるため、土地を売却して損失が発生した場合には確定申告は不要です。また、不動産売却の納税には、負担が軽減される特例がいくつかあります。土地の売却によって利益が出た場合は確定申告が必要なので、忘れずに行いましょう。
関連記事:土地売却後の確定申告が必要なケースとは?申告の流れから特例まで徹底解説
土地売却に関するよくあるご質問
Q.土地の査定に費用はかかりますか?
無料査定を行っている不動産会社も多いです。協和住建では、机上査定(簡易査定)も訪問査定も無料で査定を行っております。
Q.古い空き家が建ったままの土地でも売れますか?
売却は可能です。売却後に空き家をどう利用するかにもよりますが、解体する場合は買取価格から解体費用分を引いた額を提示される場合もあります。売却する場合は、費用の根拠を問い合わせておくと安心です。
Q.相続した土地でも売却できますか?
相続登記が必要ですが、売却可能です。相続登記は、専門家に依頼せず、自分で行うことも可能です。協和住建では、手続きに不安がある方や専門家に依頼した方に対して、提携司法書士をご紹介しています。必要な際はご相談ください。
関連記事:不動産相続における相続登記の義務化決定|気になる罰則や注意点を解説
新潟の土地・空き地売却のご相談は協和住建へ
今回は、土地の売却にまつわる注意点をご紹介しました。基本的な流れは住宅やマンションの売却方法と大きく変わりませんが、ポイントをしっかりと押さえることで納得して売却を進めることができます。
また、土地の売却方法には「買取」と「仲介」があります。どちらにもメリット・デメリットがあるため、目的に合った方法をお選びください。「買取」は、スピード感のある売却が可能ですが、市場価格よりも売却額が低くなりやすいです。一方で、「仲介」は、一般的に売却まで3カ月〜6カ月ほどかかりますが、市場価格に近い価格で売却しやすいです。しかし、お持ちの不動産の立地や条件が悪いと、なかなか購入希望者が現れず売れ残ってしまう可能性があります。その場合は、不動産会社による買取も視野に入れ、柔軟に売却活動を進めていきましょう。
協和住建では、お客様から仲介売却の依頼をいただいた際に、一定期間成約しない場合に予めお約束した金額で協和住建が買取させていただく「買取保証」をつけることも可能です。「買取か仲介か悩んでいる」という方も、ぜひ一度ご相談ください。
私たち協和住建は、創業から20年以上、新潟県の不動産を取り扱っている地域密着型の会社だからこそ知るノウハウを生かし、お客様一人ひとりのご要望に合わせて最良のご提案をさせていただきます。土地・空き地の売却を考えている方は、お電話やお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
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