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2024.08.28

土地を売却する時の注意点とは?売却前に押さえておきたい基礎知識を解説

空き地売却の基礎知識

土地を売却する時、建物がある場合の不動産売買とは異なる注意点があります。ちょっとしたコツを知っているだけでスケジュールや売却額に違いが出る可能性があるため、事前にポイントを押さえておきましょう。

今回は、土地売却で失敗しないために知っておきたい注意点をご紹介します。売却の流れや押さえておきたいポイントなど、取引をスムーズに進めるための基礎知識は必見です。

土地を所有しているだけで金銭的な負担が発生する

相続した土地を活用することなく、そのまま所有しているという方もいるでしょう。しかし、土地は所有しているだけで金銭的な負担が発生します。

例えば、活用の有無に関わらず避けられないの固定資産税の納付です。他にも維持費や管理費といったランニングコストも発生するでしょう。年単位では少額だとしても、所有している限り出費は続くため、結果的に大きな負担となるので注意が必要です。

さらに問題なのが、土地内に空き家が建っているケースです。建物が古くなり、倒壊の危険や衛生面の問題があると特定空き家に指定されてしまい、固定資産税の優遇措置を受けられなくなってしまいます不動産を運用する予定がない場合は、所有し続けることでデメリットの方が大きくなりそうです。

土地売却に必要な書類とは?

次に土地売却時に必要な書類についてご説明します。最初から全ての書類をそろえる必要はありませんが、取引を進めるためにいずれ必要になるため早めにそろえておけると安心です。

土地売却に必要な書類・資料
  • 不動産登記簿謄本または登記事項証明書
  • 登記済権利書または登記識別情報
  • 土地測量図・境界確認書
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など
  • 売買契約書
  • 物件購入時の重要事項説明書
  • 固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
  • 印鑑証明書
  • 住民票
  • 筆界確認書・越境の覚書
  • 抵当権抹消書類

不動産取引は大きな金額が動くため、本人確認書類や土地の所有権を確認する登記識別情報など、公的な書類を複数用意しなければいけません必要な書類をきちんとそろえ、適正価格での売却を実現しましょう。

また、取引完了後に確定申告を行う際は、不動産売却による利益(=譲渡所得)を明らかにするために土地価値を示す書類が必要になります。土地の入手・売却にかかった費用や実際の売買金額を証明する書類を用意できない場合、納税時に損をしてしまうこともあるため気を付けましょう。

土地売却の基本的な流れ

土地売却の基本的な流れについてご説明します。土地売却の工程は、大きく分けて下記の7つです。

  1. 境界線の確認
  2. 価格査定を受ける
  3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  4. 売り出し価格を決める・売却活動
  5. 売買契約の締結
  6. 決済・引き渡し
  7. 確定申告(譲渡所得が発生する場合)

土地売却の場合、価格査定を受けてから引き渡しまでにかかる期間は3カ月〜6カ月程度が一般的焦って売却すると損をしてしまうこともあるので、6カ月を目安にスケジュールを立てましょう。

もしも売却期限がある場合は、あらかじめ不動産会社の担当者に共有しておきましょう。不動産は相場と比べて安いほど早く、高いほど遅く売れる傾向があります。

実績が豊富な不動産会社であれば、希望の期限に合わせた最適なプランを提案してくれるでしょう。期限を伝えていないと、売却の方針が食い違い、思った通りのスケジュールで進まない恐れもあります。要望や気になる点があれば、あらかじめ不動産会社の担当者に相談しておきましょう。

【トラブル事例あり】土地売却における4つの注意点

土地売却を進める中で、予期せぬトラブルに巻き込まれることがあります。ここでは、トラブルが発生した際に迅速な判断と対処ができるよう、事前によくあるトラブルの事例を確認しましょう。

注意点1.土地の名義人を自分に変更しておく

相続した土地でよくあるトラブルが、土地の名義人が変更になっていないケースです。土地の名義人が自分以外の人の場合は土地を売却できません土地を売却できるのは、登記事項証明書に不動産所有者として記載されている人のみ。土地を相続しても名義が自動的に変わるわけではないので、必ず相続登記の手続きが必要です。

相続登記には、以下の書類が必要となります。

  • 被相続人の戸籍謄本または除籍謄本
  • 相続人の戸籍謄抄本
  • 被相続人の本籍の記載のある住民票(除籍または戸籍の附票があるもの)の写し
  • 相続人の住民票の写し
  • 固定資産評価証明書
  • 遺産分割協議書や印鑑証明書(法定相続分以外で名義変更する場合)

相続登記は専門的な知識が必要となるため、司法書士や土地家屋調査士に依頼します。依頼する際には10万円程度の費用がかかることも覚えておきましょう。

注意点2. 仲介手数料の上限を把握する

不動産会社から請求される仲介手数料にも注意が必要です。悪徳業者の場合、法外な金額の仲介手数料を請求してくる場合があります。仲介手数料の相場や法律で定められた上限を把握していないと、違法な費用を請求されてしまうかもしれません。法律で定められている仲介手数料は以下の通りです。

取引物件価格(税抜)

仲介手数料の上限

200万円以下

取引物件価格(税抜)×5%+消費税

200万円超~400万円以下

取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税

400万円超

取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税

参考)国土交通省 宅地建物取引業法関係

仲介手数料は上限のみが法律で定められているため、上限額以内で不動産会社が自由に設定できます。下限額は設定されていないので、実際に依頼する際は、複数の不動産会社を比較検討してみてください。

注意点3. 重要事項の不告知に注意

土地売却のように高額資産を売買する場合は、購入に影響するような重要事項を買主に告知する義務が定められています。土地の欠点(瑕疵)を伝えていなかったり、伝えた情報と相違があったりすると、契約解除や損害賠償請求に発展する可能性があるので細心の注意が必要です。

重要事項の不告知でトラブルになるケースはさまざまあります。

  • その場所で事故があったという心理的な欠点(瑕疵)
  • 隣人の騒音などの環境的な欠点(瑕疵)
  • 土地が液状化しているなどの物理的な欠点(瑕疵) など

告知すべき事項の判断が難しい場合は、不動産会社に相談するのが賢明です。少しでも気になる点は告知するようにしましょう。

注意点4. 測量を行い正しい土地面積を確認

不動産登記簿謄本に記載されている内容の中でも、土地面積の確認を必ず行いましょう不動産登記簿謄本に記載されている土地面積の数値よりも実際の測定値が小さいことがあります。面積が小さかった場合は売却額も低くなってしまうので注意しましょう。

特に、古くから所有している土地は区画変更や新設された道路の影響で不動産登記簿謄本よりも小さくなっていることがあります。売却前にきちんと土地面積の測量を行い、現段階での正しい数値を出しておきましょう。

土地売却を成功させるための7つのポイント

ここまでトラブルにまこまれないための注意点を説明しましたが、最後に、「土地の売却を成功させるための7つのポイント」を紹介します。ぜひご自身の売却活動に活かしてください。

ポイント1.売却活動を始める前に境界線を確認

スムーズに売却を進めるためには、ファーストステップである境界線の確認が重要です。土地の価格は「1平方メートルあたりの単価×面積」で計算されます。境界線がはっきりしていれば改めて測量する必要はありませんが、先祖代々受け継いできた古い土地や手入れがされていない土地の場合、隣り合っている土地との境界線が曖昧になっていることもあるのです。

境界線によって発生する損失や隣人とのトラブルを避けるためにも、土地を売却する前に土地家屋調査士に測量を依頼しましょう。土地家屋調査士は、古い文献や資料、測量、現地調査などから土地の境界線を正確にする専門家です。隣地の所有者との話し合いも専門家の観点から行ってくれるので、安心して任せられます。土地家屋調査士への依頼は、不動産会社を通して紹介してもらうと間違いがありません。

ポイント2.複数の不動産会社に依頼して価格査定を受ける

土地の価格査定を受ける際には、複数の不動産会社に依頼しましょう。理由は、不動産会社によって得意な分野やエリア・査定額が異なることがあるからです。

また、土地売却で失敗しないためには、あらかじめ自身で相場を把握しておく必要があります。国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公示している標準値の価格・公示価格は、同省の公式ホームページで確認しましょう。

例えば、「新潟県」「新潟市東区」を選択し、地価情報や地価調査年といった条件を設定すると、該当する取引の地価情報が一覧で出てきます。土地の大きさや立地の特徴などによる取引の傾向を確認できるので、査定時の参考にしてみてください。

土地の価格には、周辺の生活環境や社会情勢なども関わっています折り込みチラシや不動産のポータルサイトで近隣の不動産売買の傾向を調べたり、似ている条件の不動産の売却額を調査したりすることで、おおよその相場を把握できます。

こうした準備をしておくと、不動産会社から提示された査定額と相場に差がある場合に詳しく理由を尋ねることができ、納得した上で売却活動を進められます。

ポイント3.相場・ターゲットを踏まえた適切な価格設定

無事に査定を終えたら、信頼できる不動産会社と媒介契約を結び、売り出し価格を設定します。土地のみを売却する場合、基本的には相場に見合った価格でしか売却できません相場と比較して理由もなく高すぎる、もしくは安すぎる場合には購入希望者が現れず、売却活動がうまく進まない恐れがあるので注意しましょう。

売り出し価格は不動産会社から提示された査定額をベースに、多少の値段交渉がある可能性を踏まえ、相場より若干高めに設定するのが一般的です。

地域ごとの傾向や売り出しポイントについては、不動産取引のプロである不動産会社の担当者が熟知しているので、事前に立てたスケジュール内で売れる価格をアドバイスしてもらうようにしましょう。

また、立地によっては、駐車場やコンビニエンスストア、トランクルームといった商業用地に利用されることも考えられます。広大な土地の場合には、太陽光発電用地やマンション開発などに活用される可能性も。こうした運用方法が考えられる時は、該当の事業者に対して売却活動をすると効果的です。土地の特徴を踏まえた上でニーズを正しく認識し、適切な価格設定を行いましょう。

ポイント4.購入希望者に良い印象を与えられるように整備する

売却活動がスタートすると、チラシやインターネットを通じて不動産の情報発信が行われます。購入を検討している人にとっては、こうした情報媒体で見る写真が第一印象となります。ゴミが散乱していたり、土地の形が見えないほど草が生い茂っていたりする場合にはマイナスイメージを与えてしまうため、写真撮影や本格的な販売活動開始前に整備をしておく必要があります。

住宅やマンションなどの建物を売却する場合、購入希望者が物件の見学を行う内見を行いますが、土地売却の場合も下見を行う人は少なくありません特に住宅用地であれば、立地や近隣の環境が気になる人もいます。

粗大ゴミの撤去作業などは業者に依頼する必要がありますが、多少の草むしりであれば自身で行えます。購入希望者にプラスの印象を与え、価格に納得してもらうことが高額売却のポイントになるので、お金をかけずにできる工夫は積極的に取り組みましょう。

ポイント5.価値のない空き家は更地にすることも検討

空き地に建物が建っている場合、「①建物付きのまま土地を売る」もしくは「②建物を解体して更地を売る」という2パターンの売却方法があります。

建物をそのままにした状態で売却する場合は、売主の手間や負担が少なく、売り出しまでの時間や費用を抑えることができます。しかし、買主にとっては解体費用や手間がかさむことになるので、マイナスポイントになってしまうことも。購入希望者が現れたとしても、建物が残っていることで敬遠される可能性も考えられます。

一方で、空き家を更地にして売却することで、高額かつ早く買主が見つかる可能性が上がりますこれは、買主の負担が少ない上に、土地の利用方法を自由にイメージすることができるためです。

ただし、更地にするためには業者に解体を依頼する必要があります。建物の素材や大きさによって費用は異なりますが、解体費用の相場は100万円〜500万円ほどと高額になるので、立地が悪い土地だと売却によって損失が出てしまうことがあります。買主との交渉次第で解体費用を折半できることもあるので、建物がある土地を売却する時は不動産会社に相談して、どのような方針で売却活動を進めていくのかを決めましょう。

ポイント6.広すぎる土地は分けて売却する

広大な土地を所有している場合は、一つの土地を複数の土地に分ける「分筆」をするのがおすすめです。いくら格安といっても広ければ広いほど、土地の売却額は上がり、購入希望者にはなかなか手が届かない状態になってしまいます。使い道や買主も限定されてしまうでしょう。

そこで役立つのが、土地の「分筆」です。分筆とは、登記簿上の一つの土地を複数の土地に分けて登記をする手続きのことで、土地の一部を売却する時や、一つの土地を複数に分けて売却する時に行います。

建築協定や地区計画によって土地の最低面積が制限されている場合など、まれに分筆ができないケースもあるので、あらかじめ確認が必要です。ターゲットが使いやすい土地の形・面積に分けることができれば、購入希望者が集まりやすくなることが期待できます。

ポイント7.確定申告まで抜かりなく行う

土地を売却して得られた利益を「譲渡所得」といい、課税の対象となります。売却額全額に対して課税されるのではなく、そこから土地を取得するためにかかった取得費や譲渡にかかった費用を差し引いた利益にかかるため、土地を売却して損失が発生した場合には確定申告は不要です。

また、不動産売却の納税には、負担が軽減される特例がいくつかあります。特例の対象となる場合も確定申告は必須なので、忘れずに完了しましょう。

新潟の土地・空き地売却のご相談は協和住建へ

今回は、土地の売却にまつわる注意点をメインにご紹介しました。基本的な流れは住宅やマンションの売却方法と大きく変わりませんが、ポイントをしっかりと押さえることで納得して売却を進めることができます。

また、お持ちの不動産の立地が悪いと、なかなか購入希望者が現れず売れ残ってしまう可能性があります。その場合は、不動産会社による買取も視野に入れ、柔軟に売却活動を進めていきましょう。  

協和住建では、お客様から売却の依頼をいただいた際に、一定期間成約しない場合に予めお約束した金額で協和住建が買取させていただく買取保証をつけることも可能です。

創業から20年以上にわたって新潟県の不動産を取り扱っている地域密着型の会社だからこそ知り尽くしているノウハウを生かし、お客様一人ひとりのご要望に合わせて最良のご提案をさせていただきます。土地・空き地の売却を考えている方は、お電話やお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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